2009年5月29日金曜日
『殺気』
空手を始めたきっかけは、恥ずかしながら親が勝手に習わしたということ。そもそも空手の存在じたい知らなかったので、何をするのか全くわからないまま週に1度の空手に通う。
先生は鉄人『倉本成春』先生(現倉本塾塾長)。
いやが上でも、ど素人だった幼い子どもの私でも空手がどういうものなのかは練習初日目で理解させていただいた。
当時まだ30代だった先生はまさに人間凶器!筋骨隆隆、眼光鋭く一睨みされたらたちまち凍りつくような戦慄を覚え、蛇に睨まれた蛙状態。あの時は『鬼』のような存在だったのを今も記憶している。気を緩めたら殺される、精神は極限状態…
おかげさまで練習は毎回張り詰めた空気の中で行われ、全員必死の稽古で上達がはやい。
このように子どもながら本能的に生命の危機を感じつつ毎週空手の手ほどきを受けた…
それに比べて今の自分は指導者としての威厳、存在感がまだまだ備わっておらず、指導内容も甘いなと反省しています。心新たに気を引き締めて指導にあたりたいと思います。
館長 朱隆昌の記憶
2009年5月28日木曜日
『逆転の発想』
入門者はまず、身体を整えるためにボクシング技術を習得してもらいます。その目的はロープ、フットワークによる膝、足首のバネを養成し、コンビネーション、ミット打ちによる打撃力、瞬発力の向上を目指します。
打撃力は何よりも空手にとっての生命線となります。100の技を持つより、たった一つの絶対的な武器を身につける。その為にはウエストトレーニング、局部鍛練も怠らない。
さて、話は戻ってボクシング技術を行うもう一つの理由は、股関節を良く使い、『身体を練る』ことが武術を志す者にとって大変重要ということです。(練れている者とそうでない者とでは、同じ技術を学んだ時にかなりの差が生じます。)
股関節をうまく使えない=全身を駆使できないので、力任せになったり小手先の技術となり、それは絵に描いた餅となります。
こう言うわけで、まだまだ説明しつくしていませんが、それだけ身体を練るということは欠かせないものなのです。
これらのトレーニングを反復することによって、個人差はありますが、徐々に身体が整ってきます。
さあ、ここからがホントのスタートです。『逆転の発想』を持って相手と向かいあうとは、どういうことなのでしょうか?
続く
2009年5月27日水曜日
『課題』
なるほど、この間試合のための練習になり、実戦(試合)に勝つためのステップ、コンビネーションの練習ばかりおこない、息をあげる練習は皆無でした。今大会はトーナメント戦で引き分けはありません。すなわち本戦で引き分けたら即延長戦に突入します。延長戦はなんといってもスタミナがカギになります。本戦でポイントが取れなければ、延長戦で取るのもますます難しくなります。なので、最後まで気力を振り絞り、下がらず最後まで攻撃していたほうに軍配が上がります。
残り期間少なくなってきましたが、各自スタミナをつけるために坂道ダッシュ、ミットの連蹴りの稽古を行ってください。
もう一つ愚考しましたが、緊張のあまり身体が力みすぎて、スタミナがなくなる子どもが多いということです。試合時間は1分30秒です。最初から最後まで全力で戦うのは良くありません。いかにリラックスして、落ち着いて動くか、メリハリ、緩急をつけてここぞというときに、猛攻をかける駆け引き。そういった感性を身につけたらもっと試合を楽に運ぶことができると思います。
この余裕とゆとりを身につけるためには、痛み、恐怖を克服することと得意技、絶対的に自信のある技を磨くに限ります。
後はその研ぎ澄まされた技をどのタイミングでいかにはやく相手に叩き込むか!の展開になります。試合に臨むものとして、どれだけ準備してきたのか?
自分自身にある不安や憂いを一つ一つ解消して大会に臨みましょう。
2009年5月25日月曜日
『トータル武術鍛練場』
写真は、あらゆる攻撃に対処すべく日夜修練に励んでいる秘密の稽古場です。(笑)
一日もはやく、この秘伝をマスターし、子供たちに伝授することを目標にこれからもがんばっていきます。
2009年5月22日金曜日
習い事の3大原則 『守・破・離』
『守』とは即ち、先人たちの教えを忠実に固守し、基本、原理原則、法則を無条件で学ぶということです。この段階では基本動作、礼儀作法をしっかりと身につけ、先生の理論を無条件に学ぶことが肝要となります。形式的なことが多々含まれますが、忍耐強く学ぶ姿勢が大切です。
基本がある程度身についてきたら、次のステップ『破』に進みます。
『破』とは、学んできた基本をもとに応用力を身につけ、実践力を養う段階です。個々によってはその体格も違えば、性格、体力、柔軟性なども違ってきます。ここでは自分に適した技の習得を目指します。これ即ち基本という殻を破り、独自(オリジナル)のスタイルを確立していくという意。
例えば、力があればインファイターのように足を止めて打ち合うこともできますが、力なきものが同じようにすると、惨憺たる結果を招きます。全て基本一辺倒になるのではなく、その中から取捨選択をし、掘り下げていくことが重要になります。その上で、独創性やオリジナルスタイルを確立することができたら、次はいよいよ最終段階『離』に移ります。
『離』とは、先人たちの教えからの脱却、『個』における『術、理論』の確立を意味します。いわゆる『独立』、『温故知新』という意味合いです。ここまでくると新たな創造の域に達しますが、『守』『破』がありきの『離』ということをわすれてはいけません。
集団稽古における基本動作のみに執着しているとそれは『初級者』の域を脱しないことを意味します。大事なのは『守』から『破』に進むために集団稽古の限界を知り、個人稽古においていかに、自分自身を見つめ一つ一つの技をいかに掘り下げて追求するのか、です。
その結果、新たな発見があり、斬新なアイデアが閃いてくるのです。
基本動作を仮に10年続けても強くなりません。実戦と経験を経て、技というものは身につきます。大会も近い中、組手稽古を毎日行っていますが、各々テーマを持って、自分に合った戦法を見つけてください。
空手歴25年 館長 朱隆昌の天声人語
2009年5月20日水曜日
『3配精神』
ケジメをつける、思いやりの心を身につける。当道場では生徒たちにいつもこのように指導しています。『ケジメ』とは一言で『やるときはやる』の精神です。
遊ぶときは大いに遊び、勉強するときはしっかり勉強する、稽古のときは一生懸命稽古に打ち込む、です。
また、間違ったこと、過ちを犯したら素直に認めてあやまるという潔さの精神です。
毎年合宿に行くと子どもたちと一緒に食事をするのですが、しっかり残さず食べる子もいれば、いつまでたっても減らない子がいます。そういう子に限ってよそ見したり、おしゃべりをしたりで注意力が散漫になっています。挙句の果てには味噌汁をひっくり返す子が毎食ごとにあらわれます。お家でもそうなのかと聞くと、いつもテレビを見ながら1時間以上かけて食べてます。と自信満々に言ってました。
皆さん、これからは食事中も集中して全力で食事をしましょう!
もう一つは『思いやり』です。思いやりの心を持って相手に接しましょうと、常々言っています。思いやりとは相手の立場に立ち、相手の痛みを知り、相手に優しくするということです。
「自分に厳しく、相手に優しく」
を心に刻み常日頃から『目配り、気配り、心配り』を忘れずに生活しましょう。
『けじめ』と『思いやり』当たり前のことだけど、ついつい忘れてしまう大切なこと。
2009年5月19日火曜日
『痛覚』
それは『痛みが恐怖を呼び、無力化する』ということです。
ミットを蹴るとき全力でフルスイングで蹴ります。それはミットが軟らかいからできることであって、もしミットが鉄で出来ていたら、フルスイングで蹴ることは出来ないと思います。
なぜか?
あれを蹴ると痛いと思うから蹴る前から心が折れた状態になり、従来の力を自分で封じ込めてしまいます。
これを踏まえて、試合中相手が蹴ってきたときにミットのように相手の蹴りを受けていたのであれば、相手はフルスイングでバンバン蹴ってくるのは確実です。それは蹴りやすいからです。逆に言うとフルスイングで蹴っても痛くないので、相手はどんどんつけあがり攻めて来ます。
ここで『技あり』です。
相手の蹴りを受ける時、鉄のミットのように受けれたなら、相手の攻撃はどうなるでしょうか?
答えは簡単です。
相手はもう二度とその箇所に攻撃を加えません。
それは痛いからです。
基本にない特殊な受けかたはたくさんあります。
しかし、それらをマスターするには『痛み』に慣れ、克服しないと身につきません。
大会結果をみても共通しているのが、『痛み』に打ち克った選手がいつも上位に入賞しています。
『痛み』を乗り越えた者のみが克己心を培い、胆力が満ち溢れ、加速度的にレベルアップします。
この鉄の防御(別名:アイアンシールド)を一日もはやく身につけ、個々が一騎当千に値する戦士に成長してください。
最後に試合に勝つ秘訣は…
相手をいかに『痛い』おもいをさせるか…
これらを追求しながら試合を組み立てましょう。
空手指導者 朱隆昌の独り言より


