古来より学問・武術・スポーツ・芸術…あらゆる分野においておおよそ『学ぶ、習う』というとき、『守・破・離』のプロセスが必須です。ここでは空手をベースに考えてみます。
『守』とは即ち、先人たちの教えを忠実に固守し、基本、原理原則、法則を無条件で学ぶということです。この段階では基本動作、礼儀作法をしっかりと身につけ、先生の理論を無条件に学ぶことが肝要となります。形式的なことが多々含まれますが、忍耐強く学ぶ姿勢が大切です。
基本がある程度身についてきたら、次のステップ『破』に進みます。
『破』とは、学んできた基本をもとに応用力を身につけ、実践力を養う段階です。個々によってはその体格も違えば、性格、体力、柔軟性なども違ってきます。ここでは自分に適した技の習得を目指します。これ即ち基本という殻を破り、独自(オリジナル)のスタイルを確立していくという意。
例えば、力があればインファイターのように足を止めて打ち合うこともできますが、力なきものが同じようにすると、惨憺たる結果を招きます。全て基本一辺倒になるのではなく、その中から取捨選択をし、掘り下げていくことが重要になります。その上で、独創性やオリジナルスタイルを確立することができたら、次はいよいよ最終段階『離』に移ります。
『離』とは、先人たちの教えからの脱却、『個』における『術、理論』の確立を意味します。いわゆる『独立』、『温故知新』という意味合いです。ここまでくると新たな創造の域に達しますが、『守』『破』がありきの『離』ということをわすれてはいけません。
集団稽古における基本動作のみに執着しているとそれは『初級者』の域を脱しないことを意味します。大事なのは『守』から『破』に進むために集団稽古の限界を知り、個人稽古においていかに、自分自身を見つめ一つ一つの技をいかに掘り下げて追求するのか、です。
その結果、新たな発見があり、斬新なアイデアが閃いてくるのです。
基本動作を仮に10年続けても強くなりません。実戦と経験を経て、技というものは身につきます。大会も近い中、組手稽古を毎日行っていますが、各々テーマを持って、自分に合った戦法を見つけてください。
空手歴25年 館長 朱隆昌の天声人語
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