2009年5月29日金曜日

『殺気』

初めて空手を始めたのは小学1年生の時、かれこれ25年前にさかのぼる。当初は道場がなく、青空教室だったのを記憶する。近くに動物園があり、だだっ広い駐車場を完備していたので5時の閉園を待って車がすべていなくなったのを確認して、空手の稽古がはじまる。
空手を始めたきっかけは、恥ずかしながら親が勝手に習わしたということ。そもそも空手の存在じたい知らなかったので、何をするのか全くわからないまま週に1度の空手に通う。


先生は鉄人『倉本成春』先生(現倉本塾塾長)。
いやが上でも、ど素人だった幼い子どもの私でも空手がどういうものなのかは練習初日目で理解させていただいた。
当時まだ30代だった先生はまさに人間凶器!筋骨隆隆、眼光鋭く一睨みされたらたちまち凍りつくような戦慄を覚え、蛇に睨まれた蛙状態。あの時は『鬼』のような存在だったのを今も記憶している。気を緩めたら殺される、精神は極限状態…
おかげさまで練習は毎回張り詰めた空気の中で行われ、全員必死の稽古で上達がはやい。

このように子どもながら本能的に生命の危機を感じつつ毎週空手の手ほどきを受けた…
それに比べて今の自分は指導者としての威厳、存在感がまだまだ備わっておらず、指導内容も甘いなと反省しています。心新たに気を引き締めて指導にあたりたいと思います。

館長 朱隆昌の記憶

2 件のコメント:

  1. 確かに…
    子供にとって、先生・指導者・親の力はかなり大きいものです。

    今の小学校を見ると、子供たちが先生を怖がらずナメている感じさえ見受けられます。
    それなので担任の先生により学級崩壊に近いことになったり…。

    親子でさえも友達感覚が増えてきているという話。
    大人になってから仲が良く、一緒に買い物に行ったり鞄を貸し借りしたり…はいいことだと思いますが、人格形成の時期に同等の立場、さもすると親がナメられた親子関係ではいけないと私は思っています。

    そんな家族関係の中で生活してきた子供たちに、厳しさ・規律などを教えることは大変なことだと思います。

    しかし、そこは『空手道場』。
    武道とは…規律とは…みっちり厳しく体験させ指導していって欲しいです。

    主人がここのところ先生が厳しくていい…と申しておりました。
    そんなことを言っても、私たちも自分の子すら満足に育てられていないのでこんなコメントは大変おこがましいとは思ったのですが、先生のブログを楽しみにしていて、子供にも読んで聞かせているのを知っていただきたく、拙い不躾なコメントで申し訳ありませんが、コメント投稿させていただきました。

    どうか今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。

    私も厳しくする時は厳しく、楽しい時は一緒に楽しく…で頑張ります。

    返信削除
  2. ryoharuさん、適切なコメントありがとうございます。
    今現在、家庭や学校での現状はあまり詳しくないですが、道場に通う生徒たちには、これからも人として当たり前のことを指導していきます。『けじめ』、『思いやり』…当たり前だけど大切なこと!です。

    指導に関して言えば、まだまだ甘いです。例えば…
    ①ヒザががくがく震えるくらいの立ち稽古していません。
    ②足の裏が擦り剥けるほどのステップ練習していません。
    ③心臓が飛び出るくらいのスタミナ稽古していません。
    ④骨が折れんばかりのぶつかり稽古していません。
    ⑤気が遠くなるような反復練習しておりません。
    以上、これらの稽古をしたら確実に強くなりますが、みなさん練習に来なくなります(汗)。
    なので、心のあり方、精神面だけは厳しく指導していきます。
    ご理解の程よろしくお願いします。

    返信削除